コンジローマ治療補足～免疫力を上げるとは～

今回のお話は治療というか予防です。でも、コンジローマにかかった方！まだ遅くありません！

コンジローマ治療中にネット記事を検索していると、「コンジローマは抵抗力が落ちるとなりやすいので、規則正しい生活をして免疫力を上げましょう」といろんな記事に書いてある。

これは半分正しく半分間違っている。

揚げ足をとるわけではないけど正直なところ、免疫力を上げることができるのはワクチン接種だけである。

たしかに疲れたり不規則な生活やストレスで免疫力は下がる。そもそも本来免疫力というのはその人が本来獲得しているレベルより下がることはあっても(ストレスなどで)、本来のレベル以上にワクチン以外で免疫力が上がるということはない。規則正しい生活やバランスのとれた食事などは免疫力を上げるのではなく下げないようにするだけなのだ。

確かにコンジローマは一般的な免疫を持っている人が本来獲得している免疫力を発揮している場面ではなりづらいようだ。（現に感染しても多くが自然に自己免疫で除去される）ただ、感染しないようにするにはワクチンが一番効果的である。

自分の免疫力を数値化してくれるツールはまだない。

子宮頸がん4価あるいは9価ワクチンはコンジローマもカバーできます。

副作用が問題視されていて保険診療から外されてしまい日本では自費で接種しなければならないので懐痛い。副作用に関してだが、ワクチン接種の副作用はどんなワクチンでも生じる可能性がある。というか医師から言わせれば全ての医療行為は危険を伴うものです。リスクとベネフィットを考え、自身で選択してください。

一生誰とも性交渉する気はない。レイプなどにも絶対合わないと言い切れる方はリスクのほうが大きいだろう。

それ以外の方はおそらく感染する可能性の方が高い。現に女性の80％は生涯でHPVに感染すると言われている。一方でワクチンでの重篤な副作用が現れる確率は100万人～数百万に1人といわれている。（厚生労働省HPより）

わたしは職業柄子宮頸がんになってしまって自分と同じくらいの年齢で子宮全摘となったり、よくても円錐切除と言って子宮の入り口を円錐型に切除する手術を見てきた。しかもまれではなく婦人科の手術日にはほぼ毎回それが入っているのだ。

ワクチン接種の是非に関しては依然として議論されているところかもしれないが、わたしは声を大にしてワクチン接種を行うことを推奨する。

わたしも再来週の接種でようやく最後の3回目の接種となる。ほんっとーーーーにもう少し早く受けておけばよかったと心底後悔している。

今までわたしが子宮頸がんにならなかったのはただの運だ。

補足の補足：ワクチンではすべてのハイリスクHPV感染を予防できません。ワクチンを受けていても子宮頸がん検診は最低2年に1回受けましょうね。